good practice第13回 疾患モデル研究センター 小澤 直光 さん
育児休業は“特別”じゃない ― 父親として自然に選んだ2か月
所 属:疾患モデル研究センター
氏 名:小澤 直光 さん
家族構成:夫婦と子供1人
Q1, 取得のきっかけ・期間:
妻の産後の体調を支えたい、生まれたばかりの息子と多くの時間を過ごしたいという思いからです。家庭内で役割を固定せず、協力して育児する姿勢も大切にしていました。
取得期間は2か月で、前半は年次有給休暇、後半は「産後パパ育休(出生時育児休業)」を利用しました。
Q2, 不安だったこと:
特にありませんでした。所属部署は育児休業に理解があり、業務調整もスムーズでした。
Q3, 取得中の経験:
日々は想像以上に慌ただしくも充実していました。夜間の授乳やオムツ替えは夫婦で分担し、家事・育児も協力して行いました。退院直後は授乳後に吐き戻すことが多く不安でしたが、助産師に相談しながら対応することで落ち着きました。
毎晩の沐浴では小さな体を支えながら、手順を確認し合い慎重に行いました。湿疹への対応ではスキンケアや衣類にも気を配り、快適に過ごせる方法を模索しました。こうした経験を通じて、育児の重みと喜びを実感しました。
Q4, 手続き上の課題など:
申請書類が複数あり、押印も必要でやや煩雑でした。とくに年度をまたぐ申請では書類が2回に分かれ、不便さを感じました。また、学内でDE&Iが十分浸透していないと感じる場面もありましたが、担当課の丁寧な対応には安心感がありました。
Q5, 一言:
家族と過ごした時間は、新たな視点と前向きな力を与えてくれました。育児休業が自然な選択肢となり、制度や文化が大学全体に広がることを願っています。こうした取り組みが働きやすさにつながり、大学の成長にも寄与すると信じています。
妻からのコメント
夫が育休を取ってくれたことに心から感謝しています。初めての出産と育児は不安と戸惑いの連続で、授乳がうまくいかないこと、慢性的な寝不足など精神的に追い詰められていた時期もありました。そんな中、「支えるのが僕の役割」と言ってくれた夫の言葉に救われ、実際にそばで支えてくれたことが大きな支えでした。
夫は授乳以外の育児にも積極的で、必要な情報を自ら調べて実行してくれました。妊娠中からの家事サポートもあり、自然に夫に頼ることができたと感じています。
夫の支えで私にも少し余裕が生まれ、互いに思いやりながら育児に向き合うことができました。助成の産後うつについてよく聞きますが、男性にも起こりうることです。夫婦が共に心身の健康を保つことが、育児はもちろん、復職後の生活にも大きな影響を与えるのだと実感しました。
育休によるデメリットは正直思いつきません。夫の職場の理解にも心から感謝しています。
誰もが必要なときに自然に育休を取れる社会と、遠慮なく取得できる職場環境が広がることを願っています。